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通信ソリューションシステム開発

現代社会になくてはならない「ルーター」。 その最適化を担う通信ソリューションシステム開発

現代社会になくてはならない「ルーター」
その最適化を担う通信ソリューションシステム開発

初期段階からクライアントの開発に関わることで、
より高品質な開発を実現する。そんなクライアントと深く関わるネクサスならではの価値に挑戦する、中堅エンジニアの成長ストーリーに迫ります。

システム事業部

システムズ・エンジニアT.D

「ルーター」をトレンドに合わせて最適化する立役者

スマートフォン、ノートパソコン、タブレット、ウェアラブルウォッチ…。最近の端末は多様化が進み、企業内でも、個人でも、所有するデバイスの数はここ数年で確実に増えている。また、オフィス機器から家電にいたるまで、通信機能を持った端末も続々と登場し、昨今ではテレワークやオンライン学習の常態化によって、Wi-Fi利用は増加傾向にある。そうした現代社会になくてはならない存在なのが「ルーター」だ。
通信機器メーカーA社では、ルーターをはじめとしたICTシステム機器のハードウェア開発はもちろん、そこから広がるサービスソリューションにいたるまで、現代社会のニーズに応える形で、たゆまぬ進化を続けてきた。
「ネクサスでは、A社のITネットワーク機器をより便利に、快適に活用していただくための様々な開発に参画しています。なかでも、私は主にルーターのリモートアクセスソリューションに関わるアプリケーション開発に携わってきました。リモートアクセスとは、遠隔地でもネットワークを経由して機器にアクセスすることができる技術です。例えば、法人向けルーターの遠隔監視システム。これは、企業活動を止めないためにも、企業内に数多く存在するルーターを、リアルタイムでモニタリングすることで、トラブルの事前察知やリモートでのトラブル解決、またバージョンアップなどの設定変更を遠隔で行うというものです。こうしたA社の機器をトレンドに合わせて最適化する、サポートシステムの開発を経験してきました。」
こう話すネクサスのT氏は、A社の開発経験を通して通信ソリューションシステムの知見を深め、要件定義を担う頃には顧客とのリレーションも深まり、自らの力で開発をリードする醍醐味を実感していたという。
※ICT(Information and Communication Technology):通信技術を活用したコミュニケーション

クライアント側の立場で、プロジェクトに挑む

A社を担当して3年目の時、T氏の大きな転機となる新プロジェクトを担当する機会を得た。新プロジェクトは、前述の法人向けルーターの遠隔監視システムをベースとした2つのサービスソリューションに向けた機能開発だった。
「フェーズ1は、ISP(インターネットサービスプロバイダー)事業者向け機能の開発です。携帯電話事業者やケーブルテレビ会社などのプロバイダーがコンシューマーにWi-Fiルーターを提供するサービスがあるのですが、そこでルーターがうまく繋がらないなどのトラブルが発生した場合に遠隔で問題解決に向けた確認や設定変更を可能にするサポート機能です。
フェーズ2は、コンシューマー向け機能の開発で、自宅内のネットワーク状況をスマホアプリで見ることができるというもの。パソコン、スマホ、ゲーム機など、家の中の複雑化・多様化するネットワークの中で、どこに何台、いつからルーターに繋がっているのかなど、接続状況を一括で『見える化』するシステムです。」
2つの開発からなる大規模プロジェクトになだけに、この話を聞いたT氏の気は引き締まった。しかし、リーダーから伝えられたのは、思いがけない言葉だったという。
「『要求仕様書を担当してほしい』と言われたんです。というのも、A社における要求仕様書とは開発者向けにクライアントが作るもので、私に求められたのは、開発側ではなく、クライアント側の役割でした。具体的には、要求仕様書の作成と開発されたシステムがその要求を満たしているかを評価する、いわば『要求定義』と『要求管理』です。」
当初は、A社の豊富な開発経験があってこそのアサインである嬉しさと、より多彩な開発経験を積みたかったことが相まって、T氏としては「願ってもない仕事だと思った」という。

部分ではなく、全体を見る

2019年8月、新プロジェクトは、ゼロから調査でスタートした。
「最初に必要なのは、クライアントの『こういうことを実現したい』という要望を引き出すことでした。各領域の部署を聞き回り、そこでの要望をソフトウェアに求められる機能や能力へと落とし込み、自分なりに要求仕様書へとまとめあげていきました。その時の私は、ベースとなるシステムの仕様・構成は頭に叩きこんでいましたし、これまでの要求仕様書を参照すれば『何とかいけるだろう』と軽く考えていました。でも振り返れば、要求定義において何が重要なのか、まだピンときていなかったんです。」
そして11月に第1版が完成。要求仕様書のボリュームは100ページにまで及び、T氏は自信を持ってレビューに臨んだ。しかし、ことはそう簡単に運ばなかった。練り直しが求められ、第2版、第3版と改版が続き、最終版は10近くになったという。
「レビューを重ねることで、見えてきたことがありました。それは、要求仕様書で本当に必要なのは、新システムに込められた思いをクライアントから引き出すこと。そのためには、コンセプトを理解し、エンドユーザーのニーズやトレンド、クライアントのモノづくりの姿勢に至るまで視界を広げ、より上流の思考が必要でした。ある時、『トラブルの起きたエンドユーザーから問い合わせがあった時、要求仕様書に不足があれば、回答するすべがないところに繋がるんだよ』という声を頂き、正直、そこまで考えていなかった自分の視界の低さを痛感しました。もっと全体を見る力が必要だと感じたんですね。」
クライアントはサービスの先にある一人ひとりを考え抜いて新サービスを世に出そうとしている。T氏は、改めてその強い思いや気概を感じたことこそが、このプロジェクトの中での大きな気づきだったという。
また、この要求仕様書の改版と並行して開発もスタートした。開発を進めながら、開発者からのフィードバックを要求仕様書へ反映していくのだが、想定外だったのは「当然こうなっているだろう」と考えた要求が、実際でき上がってみると、思った通りになっていないことだった。原因は認識の齟齬もあれば、単純な説明不足もあったという。
「ドキュメントだけで伝えることの難しさを痛いほどに実感しました。百戦錬磨の上司や先輩たちからもアドバイスをもらって、どうしたらドキュメント品質を上げられるのか、改版を重ねる中で試行錯誤しながら改善を続けていきました。」
こう話すT氏は、レビューのたびに悔しい思いをしたものの、一方で、クライアントと同じ視界を共有できたことで、手探りだった要求定義のあるべき姿が徐々に見えてくるようになっていったという。

開発だけでは、見えてこなかったこと

フェーズ1の中盤から、フェーズ2となるコンシューマー向け機能の開発も始まった。これはフェーズ1とシステムは同じだが、ユーザーが変わること、そしてスマホアプリで「見える化」できることが大きな違いだ。
「フェーズ1の要求仕様書を経験したことで、フェーズ2の仕様書は格段とスムーズになりました。最上流から関わって、全体コンセプトについて各領域の担当者と話をして、開発すべき要求をかみ砕いて検討する。ベクトルは1つ。エンドユーザーのために最適なサービスを実現すること。そのポイントを押さえるように意識することで、以前よりもスピーディに仕事が進むようになり、気づけば、この仕事に面白さを感じるようになっていました。」
しかしその途中、2020年4月からフェーズ1のシステムへの受け入れ検証がスタートしたことで、T氏は検証作業に全力投球することになった。
「4月からはコロナの影響で在宅勤務が始まり、ルーターを自宅に送ってもらって、開発された機能をテストしていました。実は、実機を使うのは初めてで、今までルーターの機能を理論的には理解していましたが、このボタンを押すことで、ルーターがこう機能する…といったハード面を深掘ることができたのが新鮮。要求仕様書にこだわった甲斐もあって、コロナ禍の案件でありながら、無事スケジュール通りに進めることができました。やはり、PC画面上の自分が扱うシステムの一部だけを見ていては、クライアントやエンドユーザーが何を求めているかはわかりません。今回、クライアントと同じ視界で議論をし、実機と向き合ってきたからこそ、その先の人を思いながらシステムと向き合うことができました。この経験は、必ず次のプロジェクトでも活きると思います。」

クライアントと共創し、新たな価値を生み出すネクサスを目指して

こうしてフェーズ1は、無事9月にサービスインを迎え、フェーズ2もスケジュール通りの年内にサービスインすることから、早くもフェーズ2に続く新たなプロジェクトの話が浮上している。この先、ネクサスとしてサポートできることを広げるためにも、T氏の挑戦はまだまだ続いているという。
「私は今、A社の新たなプロジェクトで要求仕様書と対峙しています。これまでの開発経験の中で、曖昧なドキュメントで頭を悩まされることは幾度となくありました。しかし、要求定義や要件定義といった初期段階からネクサスが入ることで、細部に至るまで高い品質で作り込むことができると自負しています。これからも、クライアントと共創してモノづくりやサービスを実現するというネクサスの役割を自分の強みとして軌道にのせ、より高品質なシステム開発を実現していきたいですね。そんな、自分の強みは、1つの価値。今後はいろんな強みを持った人材をチームで束ね、ビッグプロジェクトをマネジメントできる存在へと自分を成長させていきたいですね。そうしてクライアントと共創し、人や社会に貢献していきたいと思います。」